生成AIの進化が日常にも浸透しはじめ、教育の現場でもその活用が話題になっています。
ChatGPTをはじめ、画像や音声を生成できるAIツールが続々と登場するなか、「子どもたちの学びはどう変わっていくのだろう?」と感じている方も多いのではないでしょうか?
一方で、「もうAIがなんでもやってくれるなら、勉強しなくてもいいのでは?」という声も聞かれます。
しかし、私たちはむしろ、AIが進化すればするほど“人間が学ぶ意味”は深まっていくと感じています。
本記事では、AI時代においてSTEAM教育が果たす役割と、子どもたちの未来の学びのかたちについて考えていきます。
AI時代のSTEAM教育が果たす役割とは
答えより「問い」が価値になる時代

これからの社会で価値を持つのは「正解を知っていること」よりも「問いを立てる力」です。
AIは過去のデータに基づいて最適解を提示するのが得意です。
しかし、「そもそも何を知りたいのか」「なぜそれを調べたいのか」を考えるのは、依然として人間にしかできません。
STEAM教育では、子どもが自ら問いを立て、探究する姿勢を大切にしています。
例えば「なぜ風が吹くのか?」「音はなぜ聞こえるのか?」といった日常の不思議を出発点に、調べたり、試したり、表現したりするプロセスが重視されます。
失敗できる環境が、創造力を育てる
AIが便利に答えを出してくれる時代だからこそ、あえて失敗をしながら学ぶことの価値が見直されています。
PendemyのSTEAMイベントでは、たとえば「沈まない船を作ろう」「水害に強い家を作ろう」といった課題に挑戦する子どもたちが、何度も試して失敗し、最後に完成にたどり着く姿を大切にしています。
こうした“やってみる→うまくいかない→工夫する”というサイクルは、AIでは代替できない創造性と粘り強さを育てます。
AIを“ツール”として活かすSTEAM的アプローチ
子どもとAIが“協働”する未来
AIを“使われるもの”ではなく、“使いこなすツール”として捉える視点が、これからの教育に求められています。
Pendemyでは現在、2024年に発表されたばかりの最新ツール「Hedra」と組み合わせて、子どもたちが自作のキャラクターに声や動きをつけてアニメを作る特別教室を開催予定です。
こうした新しいツールにも素早く対応できるのが、Pendemyの強みです。
AIが生成した素材をうまく取り入れながら、「自分のアイデアをかたちにする」楽しさと難しさを味わうこと。それこそが、AIと“共創”する力の第一歩になると考えています。
教育現場での活用例
これまでPendemyでは、AIを活用した以下のような教育プログラムを実施してきました。

- AIで小説&挿絵を作る授業(通信制高校・オンライン)
- 生徒がプロンプトを工夫し、AIと一緒に物語とビジュアルを生み出す体験を提供
- AIで絵本の絵をつくるワークショップ(小学生対象)
- 手描きのストーリーに、AIが彩りを加える新しい創作のかたち
- AIと教育の未来に関する講演(保護者向け)
- 「AIとどう付き合えばいいか」もテーマの一つに、家庭での関わり方を提案
これらの事例を通じて見えてきたのは、AIはあくまで“道具”であり、使い手の想像力がすべてを左右するということ。
STEAM教育の中にAIを無理なく取り入れることで、子どもたちは「創造的な使い方」を自然と学んでいきます。
保護者・教育関係者に伝えたいこと

「AIが進化したら、人間は何を学べばいいのか?」という問いに対して、私たちはこう考えています。
人間が学ぶべきことは、AIが苦手とする“人間らしい力”です。
それは、問いを立てる力、他者と対話する力、そして正解のない世界で決断する力です。
STEAM教育は、まさにこの“人間らしい力”を育てる場です。
だからこそ、保護者や先生方には「AIに負けないように」ではなく、「AIと共に成長する力を育む」という視点で、学びを見つめていただきたいのです。
まとめ|“人間らしさ”を育むのが、これからのSTEAM

AIが私たちの生活や仕事を大きく変えていくなかで、「どんな教育が必要か」は多くの人の関心事になっています。
しかし、技術だけでは未来は開けません。AIをどう使うか、どんな問いを立てるか、その背景には必ず「人間の意思」があります。
だからこそ、子どもたちが自分の頭で考え、手で試し、仲間と語り合うSTEAM的な学びは、今後ますます価値を持っていくでしょう。
Pendemyでは、AIを活かしたSTEAM教育イベントや出張授業のご相談をいつでも承っております。
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