子どもたちに“問い”を届ける企業の取り組み|STEAM教育とCSRの接点
みなさん、こんにちは!Pendemyのコラムへようこそ🐧
第4回目のテーマは、STEAM教育とCSRの接点。
実例をもとに、CSR活動におけるSTEAM教育の有用性について解説します。
はじめに:CSRの新しい形、「共創」への進化
近年、企業のCSR(企業の社会的責任)活動は、単なる社会貢献にとどまらず、「共創」の方向へと進化しています。
従来の寄付や支援型のアプローチに代わり、地域や教育機関と連携しながら、未来を担う子どもたちの学びに直接かかわる取り組みが増えています。
そうした動きの中で注目されているのが「STEAM教育」です。
STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の頭文字をとった教育分野の総称です。
これらを統合的に学び、創造性と課題解決力を育む教育アプローチは、次世代に必要な力として多くの自治体や学校、企業から注目を集めています。
なぜ企業がSTEAM教育に関わるのか
STEAM教育は、子どもたちに「答えを探す力」だけでなく、「問いを立てる力」を育てる場でもあります。
社会がますます複雑化し、AIや自動化が進む時代においては、「正解を知っている人」よりも「新しい価値を生み出せる人」が求められています。
企業は、まさにその最前線で多様な問いと向き合い、答えのない課題に挑戦し続けています。
だからこそ、企業がSTEAM教育に関わることには大きな意味があるのです。
現場のリアルな視点や、多様な業種・職種の価値観を子どもたちに届けることは、「社会と学びの接点」をつくることにつながります。
実例紹介:企業×STEAMの共創事例
とはいえ、「STEAM教育」という言葉を聞いても、それをどう具体的に形にすればよいか迷う方も多いかもしれません。
実際、多くの企業の方々が「自分たちが受けてこなかった学びをどう提供すればよいのか?」という戸惑いを抱えています。
Pendemyでは、そうした企業や自治体からの声に応え、共に企画を考えながら数多くのSTEAM教育イベントを実施してきました。以下に、その一部をご紹介します。
東京都主催「eSGプロジェクト」×STEAMワークショップ

東京都が主催するeSGプロジェクトの一環として、日本科学未来館にてSTEAM教育のワークショップを実施しました。
この取り組みでは、脱炭素やサステナビリティといったテーマを、テクノロジーと科学の視点から未来の東京都の施設や設備を楽しみながら探究し、考えた施設・設備を3Dモデルで形にするプログラムを開発。
子どもたちに“未来のまち”を自分たちで考える力を育む機会を提供しました。
▶ イベント詳細:https://npo.pendemy.com/eventrepo202502-2/
東京農工大学との産学連携イベント

東京農工大学とのコラボイベントでは、小学生向けのオープンキャンパスを開催。
ここでは、大学で学べること・体験できることテーマに、参加した子どもたちは、実際に東京農工大学だからこそできる、動物や植物との触れ合いを体験。
大学生と地域の子どもたちがフラットにつながる空間が生まれました。
▶ イベント詳細:https://npo.pendemy.com/collaboevent202411/
「都市にひそむミエナイモノ展」のワークショップ プロデュース

東京都主催「都市にひそむミエナイモノ展」にて、ワークショップの企画・プロデュースを担当しました。
「未来の光る都市」をテーマに、アート思考を取り入れながら、ふだん見過ごしがちな“ミエナイ”都市の姿を自由に表現する体験を提供。
最後には参加者が自らの作品を発表し、アイデアを言葉にして共有することで、多様な視点に触れ合いながら、都市に対する新たなまなざしが育まれる場となりました。
▶ イベント詳細:https://npo.pendemy.com/eventrepo20240108/
STEAM教育が企業にもたらす価値
企業にとって、STEAM教育への関与は単なる社会貢献ではありません。
次のような価値が生まれています。
- 地域との関係構築:教育機関や自治体と連携することで、地域社会との信頼関係を築ける
- ブランディング:教育への貢献が企業の理念や先進性を体現する機会となる
- 社員の関与と誇り:ワークショップに関わった社員自身が、社会とのつながりを実感し、企業文化に新しい風をもたらす
特に「正解のない問いに挑む」というSTEAM教育の姿勢は、企業活動そのものとも共鳴します。
子どもたちの“問い”に触れることで、企業もまた新しい視点を得ることができます。
おわりに:未来の社会は「問い」を育む企業から
私たちは、企業がSTEAM教育に関わることを「支援」とは捉えていません。
むしろ、子どもたちとともに「問いを育む共創者」として、その学びの場に関わることができるのは、企業だからこそだと考えています。
社会と教育がつながる場を、一緒につくっていきませんか?
ご関心のある企業・団体の方には、より詳細な事例や実施方法をご紹介しています。